Les Rêveries du promeneur solitaire

このブログのタイトルについて

このブログのタイトル、”Rêveries du promeneur solitaire”は、日本では主に「孤独な散歩者の夢想」と訳されている、18世紀の人物が晩年に著した未完の書のタイトル。

 

この著者は自分のことを合理主義者だと思っていたのかもしれないのだけれど、ハタから見ているとかなり感情的だったり、論理的飛躍があったり、矛盾があったり。フランス啓蒙思想、百科全書派の一員とも言われているのに主流派とは絶交状態。教会から追われて亡命中、英国の懐疑主義者に保護されたのに、その人ともケンカ別れ。孤児の子育て本を書いているとともに、別の本で自分自身は我が子を何人も捨てたと懺悔している。

 

このタイトルも自己陶酔に溺れて夢想中に思い浮かんだのではないだろうか、でも未完に終わったというのはどうも都合が良すぎるのではないかなあ。そんなことが気になって今回拝借することにした。

 

自分は原著を見たことがないのだけれど、この人のフランス語の文章は文学的で美しくて、だからフランス語初心者には難しい、と昔、誰かから言われたことがある。理路整然としている外国語は直訳でも比較的意味が通じやすいだろう。その反対みたいだ。フランス革命に影響を与えた、ないしは、利用された、と言われたりもするけれど、それはひょっとしたら論理よりも文学的に美しいという点にあった、のかもしれない。知らないけど。

 

彼は作曲家としても活躍したそうなのだけれど、自分が知っているのはこの曲だけ。


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