Les Rêveries du promeneur solitaire

Moon In June

五月雨式に記事の投稿です。えーと、五月雨式(断続的)というよりは不連続にテキトーに書いてます。
今夜は雨の合間の五月晴の夜空に月がぽっかりと。満月なんだそうで。

ということで、今回はSoft Machineが1971年に発表した3枚目のアルバム、その名も”Third”から、”Moon In June”という曲を。

”Third”は、Soft Machineのアルバムの中でも最高傑作との呼び声も高い出来栄えで、2倍組のLPレコード、表面裏面合計4面に、それぞれ20分弱の曲が1曲ずつ、計4曲収められているという代物です。大作趣味はプログレの特徴の一つです。

雰囲気は全体を通じて緊張感のあるのですが、上品すぎたりテクニカルすぎたりせず、わりと荒削りでわりとルーズなところが、ダイナミックというか、こぢんまりとまとまりすぎずいい感じに仕上がっていると思います。ジャズ・ロック色が強まりつつも、初期のサイケっぽさも残っている感じです。

”Moon In June”はこのアルバムの3曲目で、つまり2枚目のA面の曲です。作家の村上龍氏がこの曲がお気に入りというネタが、ぐぐるといろいろと出てきます。70年代の半ば、ラジオに初出演した際に、この20分の曲を全部流させて、これを流すためにラジオに出たみたいなことをのたまわったとかなんとか。その後の彼の小説にもこの曲が登場しているみたいです。この影響でSoft Machineを聴くようになった人もいたらしい。

実は個人的には、このアルバムの4曲の中で一番ピンとこないんだけども^^; 後半は気色悪くていい感じとは思いますが、全体的につかみどころが難しいです。たぶん自分には大作家様のような偉大な感性がないのだと思います。仕事で聴いているわけじゃないんで別に構わんけど、ないよりはあった方がいいかもしれない。「お前はなにもわかっちゃいない」と言われても謝るしかないですね。すいません。ホントに。

このアルバムで唯一のボーカル入りの曲で、なおかつ、これ以降のアルバムはすべてインスト曲になったので、このバンドの最後のボーカル入りの曲になったという、ちょっとした記念すべき(?)曲ではあります。ボーカル(とドラム)のロバート・ワイアットは、次のアルバム”Forth”発表後にバンドを脱退します。”Forth”はよりジャズに近づいて、音も洗練されていきます。事故で半身不随になったのは1973年だったかな。