Les Rêveries du promeneur solitaire

名物ドラマー、ボジオ師匠


超巨大な打楽器のセット(!)
足元のバスドラからドコドコドコドコという低い音が
猛烈な空気圧を伴ってパンチの連打のように押し寄せる
マシンガンでボディーブロー
なんだ、このプレッシャーは?(汗)
なんだか息が苦しいよ
ついにセルが本気を出した(?)
バカバカしくて笑いがこみあげてくる(笑)


今回は奇妙なポエム(?)からスタート。色も思い切ってピンクにしてみた。絶好調。
先週、ブレッカー・ブラザーズ・バンド・リユニオンによるベビー・メタル・ビバップ・ツアーの来日公演へ行ってきた。

9割以上が男性で、50代が中心か。どちらかというとサラリーマン風の比較的地味目な身なりの人が目立つような気がする(地味目が目立つ?)。平日の川崎とあって席には若干余裕あり。

ブレッカー・ブラザーズについては、実のところあまりよく知らない(スイマセン)。

とっさにググったところによれば、ブレッカー兄弟を中心に、主として70年代後半に活躍したジャズ・フュージョンのバンドで、1978年のライブ・アルバム「ベビー・メタル・ビバップ」はそのジャンルの界隈では名盤に数えられることが多いらしい。「ベビー・メタル・ビバップ」は今年再発の日本版を買って持っている。ファンキーなブラス。

このアルバムでドラムを叩いているのが、われらがボジオ師匠。フランク・ザッパのバンドで共演したのが縁でゲスト参加した模様。

ヘヴィ・メタル・ビ・バップ

ヘヴィ・メタル・ビ・バップ

ブレッカー兄弟のうち、弟のサックス名人、マイケル・ブレッカーは数年前に他界しており、今のバンドのサックスは兄ランディの奥さんが担当。ただの奥さんかと思ったら本格的なサックス奏者だった。

でも演奏の中心はやはりボジオ師匠だった。ドラム(というか、あれはもう別の楽器)の五月蠅いこと。録音では再現できない騒々しさ。



ハーモニーって何?アンサンブルって何?


圧倒的な存在感で一人気を吐きまくり、その気の巨大さに圧倒された。

アップテンポの曲でスピードに乗って、フィギュアスケートのようにフル回転のウルトラC的なオカズが決まると、
その瞬間、奇声があがる。
あまり高尚な音楽の聴き方じゃないのかもだけど原始的に楽しい。
主旋律なんてオカズを決めるための助走みたいなもんだ。
バカです。スイマセン。

後で思うに、あのバスドラの「ドコドコ」は日本の大太鼓の音に似てる?
スネアは高く硬くて乾いた「コン」という音で、これも日本の小太鼓に似ている感じがする。
金物類はサスティンが少なくて鋭く乾いた音で「カシャカシャ」、「キシキシ」という多少耳障りでメカニックな音。
とにかくユニークの音を出すので好みは激しく分かれるだろう。
自分も必ずしも好きな音とは言えないのだけれど、変わってるから面白い。OK

YouTubeで眺める限り、このバンド、師匠がいないともっと素直に心地よい音を出しているみたい。
師匠はバンドでふつうの音楽をやるにはアクが強すぎるなあ。
これからはソロをメインにやるとのことだけど正解かなあ。
一人でステージができてしまう打楽器奏者なんてそういないんだし。

本日のBGM

往年のブレッカー・ブラザーズの曲。今回もこの曲で盛り上がった。

このころのボジオ師匠の音はまだわりとふつう。キレのよいツブぞろいのアタックでダイナミックに展開。

ボジオ師匠の演奏というと、フランク・ザッパによる以下のドラムの難曲がわりと有名。

曲のタイトル「ブラック・ページ」は、音符で譜面がまっ黒という意味らしい。ただ、ザッパだけに単なる早打ちの曲ではなく、やっかいな難しいリズムで、「入れ子状の連符」(連符の中に連符)を多用している、と言っても自分にはよく分からない(スイマセン)。素人的には、やたらめんどうな演奏をする中で、ハイハットメトロノームみたいにずっと一定のリズムを保って開閉している左足がすごいと思うんですけど。両手と右足はまったく別のリズム、つまりポリリズムで拍子がどんどんずれていく。

近年の姿をもう一つ。

ギターは、アラン・ホールズワースのそっくりさんってことで、エディ・ジョブソンがネットで発掘したオーストリア人(正しい?)でザッパのファンでもあるらしい。ベースはホールズワースのバンドの人。ちなみにホールズワースのバンドのドラマーもザッパスクールの卒業生。そういう近所付き合いみたいな感じ。