エピタフ(おまけ)
おまけというよりこっちが本編かも。つってもたいしたことないんですがすいません。
エピタフは預言の歌、その関係でジョジョのエピタフは未来予知に関連する能力。だが、実際、未来予想は難しい。
「混乱」、それは僕の墓碑銘になるだろう。
リーマンショックから8年。2016年の米大統領選挙は大方の予想が覆される結果となった。英国のEU離脱国民投票で予想が外れた矢先の出来事。今年は大外れの年になった。大一番で予想が外れると多少なりとも「混乱」するのだ。
米大統領選挙の予想外しには、そこそこ有名な過去事例がある。
世界恐慌から7年。1936年の選挙はニューディール政策で再選を目指す民主党ルーズベルトと共和党ランドンの一騎打ちだった。
名門リテラリー・ダイジェスト誌は1000万人の電話所有者とこの雑誌の購読者を対象にアンケートを実施、200万の回答を得て、ランドン勝利と予想。
一方、ジョージ・ギャラップという人はルーズベルトの再選を予想。彼は前年に世論調査会社を起業したばかり。調査した人数はリテラリー・ダイジェスト誌をはるかに下回るものだった。
結果はルーズベルトの勝利。リテラリー・ダイジェスト誌の大規模調査は外れてしまった。なぜか?
当時電話はまだ普及しておらず高級品だった。だから調査対象者は金持ちばかり。金持ちにはもともと共和党支持者が多い。要するに調べた対象に偏りがあった。一方、はるかに小さい規模で答えを当てたギャラップはランダムに調査対象者を選んでいた。
このことは、たとえ大規模な調査でもサンプルに偏りがあればダメなこと、つまりサンプリングの重要性、それからランダムサンプリングの有効性が示された事例とされている。
現在では世論調査の方法はより洗練され高度化している。しかも皮肉なことにリテラリー・ダイジェスト誌が失敗した電話調査が一般的な方法になった。
今回の予想が外れた原因はすでにいろいろ言われているみたいだけれど、携帯電話の普及によって固定電話を持たない人が増えていることもその一つである可能性があるみたい。
まぁ、詳細はこれから分析されることになるのだろう。
本日の本
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
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統計入門の古典的なんとか。騙されないために騙す方法を知れと。1936年の米大統領選挙についても紹介されている。
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
- 作者: 谷岡一郎
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余談だが、この本の著者はギャンブルが趣味で以下の著作があって、これもけっこうおもしろい。
- 作者: 谷岡一郎
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ちなみに以前こちらで紹介した本の著者も今回クリントン予想だったらしい。
sillyreed.hatenablog.com