Les Rêveries du promeneur solitaire

旅の恥はかき捨てというけれど。。

旅の恥はかき捨て。検索してみるとこう書いてある。

旅の恥はかき捨て - 故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/ta/tabinohajiwakakisute.html

【意味】旅の恥はかき捨てとは、旅先には知人もいないし、長くとどまるわけでもないので、普段ならしないような恥ずかしい言動も平気でやってしまうものだということ。

確かに旅先ではしゃいで大胆な行動をしたりするかもしれない。一方で、地元の人にとって、よそ者の行動は奇妙にみえる、というバイアスも働いているんじゃないのかなあ、なんて思ったりする。

中学生の時だったか、英語で「奇妙な人」"Stranger"と書いて「よそ者」という意味があると知って「へえ」と思ったりしなかった?よそ者は奇人であり、見知らぬものは奇妙なもの。観光客の常識は地元民の非常識だったりする。日本語では素性の分からない人物をあざける言葉として「馬の骨」がある。調べてみると、もともとは「役立たず」という意味だったのだそうだ。地元民は「郷に入らば郷に従え」と「馬の骨」に要求する。

よそ者やよその物に対して不安を感じる傾向は、ヒトの心のデフォルトみたいだ。多くの国の人々が外国人に犯罪者が多いと感じているらしい。多くの国の人々が自国の食べ物は外国のものより安全だと感じているらしい。多くの国の人々が外国の資産よりも国内の資産を持ちたがるらしい。

最後の例については、資産運用の世界でホームアセットバイアスなんていう用語まである。

要因はいろいろ考えられるのだろうけれど、一つには身近なものはそうでないものよりも知っている(つもりになれる)ので安心感がある、身近でないものはその反対、というのがあるのではないかと思う。そして見慣れていないものを疑うという保守的な性質は人類のサバイバル・ゲームの中で、ある程度役立ってきたのかもしれないなあ、なんてね。